司書の本棚

司書が本当にお勧めする本

『みどりいろのたね』種を植えることで育つもの

絵本から児童書へと移行する時期に,お勧めしている本。

 

主人公のまあちゃんは,うっかりものでわすれんぼで,めんどくさがり。学校で種まきをした日,こっそり食べていたメロンあめをたねと一緒に植えてしまう。

水やりも忘れたままのまあちゃんに,たねたちはもんくを言い始めるけど,水をもらえなくてもぜんぜんへいきなやつが,ひとりいて・・・。

 

なにより,まあちゃんのあっけらかんとした明るさに元気をもらえる。小さな種から,何かが育つワクワク感も味わうことができる。たねとメロンあめのやりとりも,コミカルで,自分で読む方が絶対に楽しいお話。(絵のすきまにマンガのようにことばが書かれているので,自分の読みたいように読む方が楽しいから)

そして最期の場面が,子どもにはたぶんいちばん納得できる展開だと思う。

きっと「最後まで一人で読んだ」を体験できる一冊になると思う。