司書の本棚

司書が本当にお勧めする本

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『記憶喪失になったぼくが見た世界』子どものこころで,世界を見たら・・・

大学1年のある日,バイクの事故で記憶喪失になった「ぼく」のその後を描くノンフィクション。 「ぼく」は子どもというより,産まれたての赤ちゃんが見ているような視点で世界を見ている。 知っている言葉だけで,目の前の知らないものを見つめたり,感じたり…

『光のとこにいてね』小舟に乗って,魂の片割れを探す旅

7歳で出会って別れ,15歳で再び出会って別れ,29歳で三度出会う二人の女性の物語。 短い出会いの瞬間に,二人は充分に運命を感じ,お互いが光と闇,雨と虹,海と空のように切っても切れない何かだと信じる。一人は裕福な家庭に生まれたが,嘘つきで傲慢な母…

『13歳からのアート思考』絵をみるということを通して

高校時代から美術館に通っていた。文字の世界もいいのだけれど,絵の世界は一層静寂に満ちていてるところが好きだった。語り掛けるのではなく,絵はただそこにある感じがして(もちろん饒舌な絵というのもあるけど),読書も含めて言葉の世界に疲れたときは…

『バンビ』一生に何度も読める物語

何度読んでもその時々で素晴らしく思え,何通りにも読める本を良書と呼ぶなら,『バンビ』も私にとっては良書のうちの一冊になる。 まず,子どものころに小鹿だったころのバンビに出会った。たぶんディズーニーの絵本だったと思う。その時バンビは私にとって…