司書の本棚

司書が本当にお勧めする本

9.児童書の木陰

『なぞなぞのすきな女の子』女の子とオオカミという定石

「なぞなぞ」という遊びがずっとすたれずにあるのは,きっとそれを楽しいと感じるこころがあるからなのだろう。 主人公の女の子はいつもいつも,お母さんを相手になぞなぞ遊びをしている。ある日,女の子は森へ行き,そこで出会ったおおかみとなぞなぞ対決を…

『みどりいろのたね』種を植えることで育つもの

絵本から児童書へと移行する時期に,お勧めしている本。 主人公のまあちゃんは,うっかりものでわすれんぼで,めんどくさがり。学校で種まきをした日,こっそり食べていたメロンあめをたねと一緒に植えてしまう。 水やりも忘れたままのまあちゃんに,たねた…

『サンタクロースっているんでしょうか?』という質問に対する,正しい答え

「サンタクロースって,本当にいるのかな?」 私は一体いつ頃,こんなふうに思っただろうか? この本の質問者は8歳の女の子。アメリカに住んでいる,利発な少女だ。1897年のある日,彼女は「サンタクロースなんていない」と友だちに言われ,父親に事の真相…

『クリスマスの小屋』『クリスマスの猫』奇蹟が起こる季節に

世界には,もう何千年分ものクリスマスの奇蹟を描いた物語がある。 とくに子どもたちには,そんな本を手渡したいと思う。奇蹟を信じられない子どもが絶望することほど悲しいことはないし,大人にはとくに知っておいてほしいのだけど,幼い子どもの絶望は大人…

『はれ ときどき ぶた』ときどき はちゃめちゃな物語を

子どもたちには,できれば毎日笑ってほしい。でも,現実の世界では厳しいことも,しんどいことももちろん超えていかなければいけません。だからときどき,はちゃめちゃな物語を読んであげたい。 主人公は3年生の畠山則安くん。友だちからは「10円やす」と呼…

『だれかののぞむもの~こそあどの森の物語』自分の人生を生きよう

岡田淳さんのこそあどの森シリーズの中の一冊。 「この森でもなければ その森でもない あの森でもなければ どの森でもない」 どこにあるのかわからないこそあどの森で起こる出来事が描かれるファンタジーシリーズ作品。 『ふしぎな木の実料理法』をまず読ん…

『とうさん おはなしして』アーノルド・ローベルは大人にも必要

ちいさいころに何度も何度も読んだ本。 とうさんネズミが7人のこどもたちにそれぞれお話をしてあげて,寝かしつけるという設定。7つのお話がすべておもしろい奇跡のような一冊です。作者のアーノルド・ローベルがもし生きていたなら,明日にでも会いたい。ロ…