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司書が本当にお勧めする本

『ゆうかんなアイリーン』女の子の強さは,いつはぐくまれるのか?

冬になると読みたくなる古い絵本。雪の日はとくに。

 

お屋敷の奥さまのためにドレスをしたてたお母さんが,出来上がったとたんに風邪で寝込んでしまいドレスを届けることができなくなる。そこでアイリーンがお母さんの代わりに吹雪の中,お屋敷までドレスを届けると言い出して・・・。

 

このアイリーンの言い出したら聞かない性格や,思い立ったらさっさと支度して行動に移す強さは,女性特有の強さとつながっている感じがする。「案ずるより産むがやすし」というような。もう誰が止めたって,心配したって,アイリーンはやると言ったらやるのだ。

たくさんの困難にアイリーンは勇敢に立ち向かい,翌朝馬車でお母さんのもとに帰ってくる。奥様からのお見舞いの品と手紙を持って。

 

そしてこの奥さまからの手紙を読んで,お母さんが心で思ったことが最後の一行に書かれている。私はこの一行を初めて読んだとき,アイリーンの強さがどのように育まれたのか分かって涙した。そしていまでも,この一行を読むために,雪が降るたびに『ゆうかんなアイリーン』を開いてたしかめたくなる。

 

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