『長い読書』読書好きによる読書好きのための1冊
この本は本のとりこになったある人の,人生をなぞる散文集。
著者は,ビートルズからはじまって音楽の世界に浸り,多くの人がたどる青春の苦悩を経て大学生になり,やがて本の世界にのめりこんでいく。そして家族を持ち,子どもを育て親を介護する年になっても本を読み続ける。その時々で読んだ本が紹介され,感じたことやその時心を支えた言葉などが記されている。
読んでいくうち(生きた年代が同じなので)自分の読書遍歴と重なるところも多く,「ああ,この作者の本はたくさん読んだな」とか,「この時期の大学生はこんなだったな」と共感しながら読み進めた。
そして,一番共感したのは著者の大切にしている
「本は弱者のためのものだ」
という考え。私自身,成功体験や派手な生活を書いた本はあまり読んでいなくて,それはたぶん自分が辛い時や迷ったときに開くのが本だったからなのだと思う。世界にはたくさんの人がいて,それぞれに苦しみもあれば喜びもある。誰もがささやかな日常を一喜一憂しながら生きている。本当にそれは誰でもそうなんだと思わせてくれたのが本で,だからこそいままで何とかやってこれたのだと思う。
著者が言うように,
本はきっとなくなりはしない。
人間に弱さがあるうちは,つまりこの先もずっと,本は存在し続けると私も思っている。
この本の中で紹介された本を,私もこの先の人生のどこかのタイミングで読んでみたいと思う。もうほとんど終わってしまったけれど,子育てについての本はとくに心に残ったので,近々図書館で探してみようと思っている。
著者のように本当に本が好きな人の本の紹介は、また新たな世界を教えてくれる。自分ではきっと選ばなかった本や、見つけられなかった本と出会うきっかけをつくってくれる。そして,また次の読書につながっていくから,本を読むことはますますやめられそうもない
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