司書の本棚

司書が本当にお勧めする本

『ざっそう』雑に扱われても,魅力的な草花たち

になるとまずタンポポが咲き始め,オオイヌノフグリ(小さいころは語源を知らず得意になっていた)が小さな花をつけ,ナズナがいつの間にか花を開く。

には庭中がざっそうだらけになる。何度も草をとることになり,とった端からまた伸びてきてやっかいもののざっそうだけど,この本では主役。こうして一つ一つをじっくりみれば,どれも個性的でかわいらしい。葉の形も色も花のそれも,あたりまえだけどみんなちがっている。

には種をつけ,種を飛ばし,また命をつなぐ。

「ざっそう」なんていいかげんに一くくりにせず,ひとつずつちゃんと名前で呼んであげたくなる絵本だった。ひとつひとつにきちんとぴったりの名前を付けた誰かがいることを思うと,「ざっそう」とは呼び難い。