この作者はきっと世界の隅々までよく見える目を持っているんだろうなと思う。
小さな子どもが何でもない場面を細部まで覚えていることがあるように。
読んでいる間,映画を見ているようだった。
あなたが思った通りにはきっと終わらない物語だと約束できる1冊だった。
冴えない,何のとりえもない,スクールカースト最底辺の江那友樹くん。それがこの本の主人公。変身もできないし,特技もないただの冴えない高校生。
だれにも平等に訪れる「隕石の衝突」という悲劇が,生まれながらに不平等な地球に訪れる。滅亡へのカウントダウンが始まった世界で,人間はシャングリラ(楽園)にたどり着けるだろうか?
あなたにとってのシャングリラはそもそもどんな場所だろう?
今もし私が高校生だったら,こんなテンポの速い情報にあふれた世界で生きていかなければならないんだと思い,まずその事にゾッとした。
高校生のみなさん,たまにはアナログな本でも読んでみませんか?
ペースは遅くても、じっくり味わう楽しみもあると思いたい。
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