この作者らしい作品でした。
今回も運命と戦う女性たちの物語だった。
最高の夏の思い出が,最後の時間になり,離れ離れになった母子はラジオ番組をきっかけに再び巡り合い,一緒に暮らすことになる。そこにはすでに二人の同居人がいて,4人ともそれぞれ背負ってきた過去のある女性たち。この作者の他の作品にもあるテーマ,DV,家庭不和,離婚,母親からの過干渉などさまざまな過去にとらわれて生きる女性たちが支え合って切り開くラストがとても素敵だった。
人は過去の経験を変えることはできない。けれど立ち向かうことはできるし,分かち合うこともできると教えてくれる。そして未来や運命を変えるためには,今を変えるしかないのだ。
余談ですが,今回もどうしようもない男性が何人か登場する。今度は男性が立ち直る作品も読んでみたいなと,思ってしまった。
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