どんな仕事も尊いものだけど,私はたくさんの仕事から司書を選んだことを誇りに思っている。
毎日本を読んでいる。当然本を登録したり,配架したり,返却したり貸し出したりしている。事務的で,静かで,変化の少ない毎日だ。
人によっては退屈だと思うかもしれない。
けれど,毎日本を読んでいるから一年に何百もの物語と出会い,その何倍もの人と出会っている。私としてはとてもドラマティックな日々だ。
そして,ときどき本が人を変える瞬間に出会う。それはこの仕事の至福の瞬間でもある。ここに図書館があり,本があって,人が人生を変えていく。物語が現実の世界に流れ込み,想像の人物が現実の人間に変化をもたらす。
この絵本は一人の少年と本との出会いを切りとった実話をもとにした物語。
私は何度もこの瞬間を見てきた。一冊の本が,または図書館という誰にでも開かれた場所が人を変えるところを。
だから,私は自分の仕事に誇りを持っている。私も誰かのブック・ウーマンであったならいいなと思う。